nakamurakenoshigoto
muiにまつわる人やもの、ことを紹介しているThe people around mui今回はmuiにとってかけがえのないパートナーであり、友人でもあるnakamurakenoshigotoの中村夫妻をご紹介します。

南の島へ
東京で陶芸教室を二人で独立開業したばかりの頃、
「いつ沖縄へ移住する?」
と詰め寄ったさとみさんに、
「流石にまだちょっと先かな….」
と返事をした桜士くんの少し戸惑った様子が眼に浮かぶ。

さとみさんはずっと暖かい気候の場所で暮らしたいと思っていたし、桜士くんもそのことは分かっていたけど、まさか開業したばかりで切り出されるとは思ってもみなかった。
陶芸教室を開業して、さーこれからだというのはあまり、意に介さず、さとみさんには確信的に「やっぱり南の島だ」というイメージがあったし、桜士くんもさとみさんの思い描く温暖な場所での生活はきっと魅力に溢れていたことには違いなかった。

二人で何度も沖縄に通いながら数年後、念願の沖縄へ。
移住当初は読谷村の外国人住宅街に住み始めたのだけど、「やっぱり海が見えるところがいい」と南城市の知念にアトリエ兼自宅を建てることに。
muiとの出会いはこの頃から
お互い同時期に同じ建築設計studio cochi architects の五十嵐さんにお願いしていた繋がりから仲良くなり、二人の器を購入したり、海外への販売のお手伝いをさせてもらったりしていた。

夫婦でつくる心地よいカタチ
nakamurakenoshigotoの器はとにかく暮らしに馴染む。
二人の暮らしの中で心地よく使いたいと思えるカタチはどんな料理も受け止めてくれる。お皿に圧倒的な個性や主張があるのではない。それでいてただのシンプルとも違う凛とした美しさとそぎ落とした潔さみたいなものが私たちのどんなズボラな料理も素敵な一品に変えてくれる。それでいて、洗いやすかったり、マグカップの口当たりが良かったり、手に馴染んだり。

ほんの小さな細部までさとみさんの好みは行き届いていて、「二人の作品の心地よさ」みたいなものはそんなところから生まれてるんだろうなと思う。
器のデザインはサトミさん
それを形にするのは桜士くん
それぞれの得意なところと苦手なところを補い合ってnakamurakenoshigotoの器はできている
そしてサトミさんは沖縄の植物から型取った陶のアクセサリーを作ったり
桜士くんは気の向くままにおじさんのオブジェを作ったり

おじさんモチーフのオブジェはきっとスケッチが好きでそれが立体になった桜士くんの感性から自然に生まれた作品
その時々に思い描く暮らしは移ろいながらも二人のペースで少しずつ
おおらかな海を望むアトリエ、昼は二人で仕事して、猫と暮らし、夜は月を見ながら、音楽を聴きながら、寝転んで漫画を読みながら寝落ちする。
これから先の心地よさはまた変わるかもだけど、今はそんな感じ。

お家という器をつくって、そこにふたりのくらしを盛りつける
そんな日々から生まれる一点一点は「好きに使ってね」っていうやさしいおおらかさがある。

二人のうつわはmuiでも取り扱いしている。
この4年間でリピーターの方がじわじわと増えていて、持ち帰ってくれたお客さんの日常にすっぽりとおさまってくれているんだろうなっていうのを肌で感じることができるのがすごく嬉しい。

二人の作品を通して僕らはどれだけゲストとの間に素敵な会話が生まれただろうか。
Photo by fujico
IG : https://www.instagram.com/fujicolpis/
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HP : https://www.nakamurakeno-shigoto.com/
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